概ね平和な国「日本」


 今日は大変だった。仕事が終わったあと、新大久保の韓国料理店で、中国にいた時の同僚と学生といっしょに食事をした。11時過ぎ、店を出て、Y線に乗り、S駅で降りて、D線の駅に向かった。

 駅に着いて、驚いたことに、改札口の前に大勢の人だかり。駅員がマイクを持って知らせている。人身事故のため、電車がストップしているという。復旧まで時間がかかるという。それじゃ、仕方ない、遠回りして帰ることにした。中にはこれしか変える方法がないんや」と改札口に入るひともいるが、大勢の人が別ルートで帰ろうとして移動し始めた。私は人波にもまれながら、10分ほど歩いて、横浜へ向かうT線の駅に着いた。電車に乗り、発車するのを待っていたとき、いきなり、「D線が復旧しました」という放送が入ったので、再び大勢の人波と一緒に、D線のホームに向かう。0時10分いつもの電車に乗れた。ただし、急行はない。各駅停車の電車に揺られて30分間、ようやく最寄の駅に着いた。

 最寄駅に着いたものの、すでに終バスは行った後だった。仕方なくタクシー乗り場に行ったら、そこには長蛇の列ができていた。そらから、数十分、本を読んだり、周りの声を聞いたりしながら、列を少しずつ進んでいった。自然と周りの人たちの声が入る。「今日はお疲れ様」とか「大変だったね」とか、「今日の会合は楽しかったね」とか。また電話をしている別の女の子の会話、「何々ちゃんと最近あった。」「元気だった?」とか。「今日は教授の送別会に出たんやけど、その教授一度しか会ってないの、ちょっと疲れたわ」とか。「今A駅、もうすぐ帰るから」云々。

 いろいろな声を聞きながら思った、日本は平和だなと。電話したり、談笑したり人もいるが、一方ではじっと黙って並んでいる人も大勢いる。不思議なことに、人身事故のせいで、終バス乗れなかったとか、タクシーに乗るはめになったとか、そんな愚痴が聞こえないのだ。日本は本当に平和だ。ひどい目にあいながら、愚痴を言わないのは日本人の美徳なのだろうか。ただ、私の場合は、いつでも、「こんなもんさ」と思うだけなのだが、とにかく、こうやって、30分も40分も黙って長い長い列に並んでいる。これが平和な象徴のように思えたのだ。

 およそ35分並んでいたと思う。やっとでタクシーに乗れた。帰り着いたのは1時過ぎ。タクシー代は1500円足らずかかった。余分な時間と出費だ。しかし、こんなことがあって、それで、世の中なのだと思う。いろいろあるものだ。そして、この日本は、人身事故や自殺など、いろいろな不幸があるにもかかわらず、概ね、平和な道を歩んでいる。この概ね平和と言うのが大事なのかもしれないけれども、一方で見逃せない不幸も確実に進行しつつあることも知らなければならないと思う。(今回は漢文にするゆとりなし)

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
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