盆踊り(ぼんおどり)は秋の季語だ。立秋を過ぎた旧暦7月15日ごろ、つまり、新暦で8月15日ごろに行う先祖供養の踊りだ。だが、最近、ある時期から、8月上旬に、そして7月末に行われるようになった。新暦7月30日は旧暦で6月9日、盆には程遠いが、何故か盆踊りが行われている。
それはともかく、夏の風物詩と言えば、お化け屋敷やアイスクリームやスイカ、それに、花火大会などだ。ただし、ぼくはそれらにあまり縁がない。ただ、盆踊りだけは一応見に行っている。別にビールを飲んだり、焼そばを食べたりはしないが、今年はどんな賑わいだろうかという興味本位で見に行く。
かつて、小さいころ、近所の公園で、8月中旬に行われる盆踊りに行って、友達に会うのを楽しみにしていた。それと、これが大人の楽しみなのかという興味もあったと思う。
ちょっとおかしいと思いながらも、7月30日の盆踊りを見に行ったら、子供たちが多かった。小学生や中学生たちが浴衣を着て、グループで参加している。焼きそばを食べたりしている。大人たちは300円のビールを飲みながら楽しんでいる。
中央のやぐらの上では太鼓をたたく人がいる。そして数十年たっても変わらない東京音頭などが流れている。
これが伝統なのだろうか。しかし、何となく違和感を感じる。それは数十年間、盆踊りを見たものの、踊った記憶がほとんどないことと、夜店で何かを買った記憶がないことだ。
伝統に乗り切れない男だ。だが、伝統と言いながら、ほとんど変わらないそれに、最初から胡散臭いような気分、それに、何だか、年寄じみたものに嫌気がさしていたというのが本音だ。
今でもそうだが、演歌が嫌いだ。伝統があると言われても、好きになれない。それは、いいものhなら、先端だろうが伝統だろうが好きになる。いいと思わないものなら、伝統だろうが先端的なものだろうが、好きになれない。そろそろ、伝統的なものも先端的なものも取捨選択をした方がいいと思う。