電車の中で、膝と腰が痛むぼくは、探す。座っている人で、すぐ降りそうな人の前に立つ。だが、あてが外れたようだ。ぼくの前の人はなかなか降りない。他の人が降りて、その席の前に立っていた若者が座る。
それにしても、座っている人には若い人が多い。立っている人にはお年寄りが多い。ぼくは意地でも譲られたくない。普通に空いた席に座りたいと思い、前に座っている人が降りるのを待つ。
そこへ、腰の曲がったおばあさんが乗ってきた。しかし、誰も立とうとしない。これが今の日本なのか?時代も変わり、言葉も変わり、人も変わるということなのか?老いも若きも皆が見ているかのは小さなテレビ画面だ。これが日本だ。