電車の中でつり革につかまって立っている。前に座っている中年の男性はスマホゲームに夢中だ。ある駅について、その男性、慌てて降りようとする。人を押しのけ、しまろうとするドアをすり抜けた。
彼らの視界にあるのはバーチャル世界だけ、目の前の老人も、移動する電車も周りの人も意識外だ。彼らは現実世界にいない。
道を歩いていると、前から来る人はみなスマホを見ながら歩いている。この人たちを避けるのむずかしい。この人たちの視界にあるのはスマホの画面だけだ。
時代は変わる。かつて、二宮金次郎は本を読みながら、歩いた。ただ、それは学問のためだ。今、スマホでレポートを読みながら歩く人もいるが、バーチャル世界に逃避している人もいる。
いろいろな人がいる。時代が変われば、どんな変化も仕方がないが、せめて、どうあるべきかということは常に考えたほうがいい。