もう10月が終わってしまう。今年も残り2ヶ月だ。この時期になると、いつも思い出すことがある。
明日11月1日はぼくの好きな詩人、萩原朔太郎の誕生日だ。11月の朔日(一日)に生まれたから、朔太郎と名付けられた。
1886年11月1日、群馬県前橋市に生まれ、1942年5月11日に亡くなった。「近代詩史の父」と言われている詩人だ。
代表的な詩集は『月に吠える』。そのなかの「竹」という詩がある。大学時代、ぼくはこの詩一篇だけを研究対象とした。その背後にある罪意識はぼくの中に入り込んで抜けなくなった。今も彼の詩は心の中で響いている。
竹
かたき地面に竹が生え
地上にするどく竹が生え、
まっしぐらに竹が生え、
凍れる節節りんりんと、
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。