喧騒


十代の時、初めて新宿を訪れた。あの時に感じた目眩は今も忘れられない。見上げて、目に入るのは高層ビル、自分がどこにいるのか、不安になった。

今、東京に出て働いている。渋谷でJR山手線に乗り換えるため、ハチ公前広場に出る。人混みの雑踏と多国籍の混沌は昼も夜も変わらない。

原宿、代々木、新宿、新大久保、高田馬場、目白、池袋と走る電車の車窓にゴタゴタとした空気が流れる。心の悲鳴があちこちから聞こえてくるようだ。

聞こえるというより、暴力的に聞かされる雑音、意味のわからぬ叫び声、様々な国の言葉、駅のアナウンスや駅名も日英中韓のことばで表示される。

初めて新宿に来た時に感じたのはこれだ。ぼくはここ住みたくない。東京のぼくは異邦人。故郷の山や川が懐かしい。便利さは静けさを捨て、喧騒をもたらした。

広告

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
カテゴリー: エッセイ, 日記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中