うるさい世代


 午後からの仕事のため出かける。枯れ葉舞う道を歩きながら、小春日和の空を仰ぎ、ふと街路樹のいちょうの木を見上げると、葉と枝が揺れている。黄緑色した可愛らしい小鳥がちょこちょこと動き回っている。写真に撮ろうとして、かばんからカメラを取り出す。見上げたら、もう見えない。しばらく、付近の木も探したが、見つけられない。

 それにしても、穏やかな日だ。何となく、これが平和なんだと感じた。だが、この地球上では食べるものがなく、苦しんでいる子どもたちも多い。戦争で生きるか死ぬかという世界に生きている人たちもいる。それだけではない。地球は温暖化し、今にも足もとが壊れていく可能性もある。

 そんなことを考えながら、やってきたバスに乗る。ぼんやりと青空と紅葉を眺めながら、乗っていたが、高校前のバス停に止まった瞬間、のんびりとした空気は壊れた。ぺちゃくちゃ喋りながら、乗ってきた。「〜じゃね」「お前、〜」バスは満員になった。次のバス停では、運転手が「学生さんたち、もっと奥のほうに詰めてもらってもいいですか」と奇妙な敬語を使っていた。

 それにしてもうるさい。今、期末試験をやっているのだろう。テストの話も聞こえる。初めのうちは、男子高校生たちの今どきの会話と思って、言語の変化や世相を探るのもいいかもしれないとも思って、聞くともなしに聞いていたが、だんだん気分が悪くなった。ぼくは高校生の頃、バスの中は読書のチャンスを与えてくれる場所だった。

 今の時代、十代はうるさい世代なのだろうか。スマホゲームに夢中になっているよりマシかなと思う。うるさいのも、平和な証なのかもしれないと思う。紛争の続く地域では見られない光景だ。

 

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
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