一人だけの幸福はない!


 一人だけの幸福はない。周りの人の幸福感があって、自己の幸福も感じられるはずだ。だが、もしかしたら、周りが不幸になって、それと比較して、自分の幸福を感じられる人もいるかもしれない。

 だれかが言った。世界中が幸福でなければ、己一人の幸福などない。とこれは少々言い過ぎかも知れないが、もしかしたら、真の幸福はこの方が当たっているかもしれない。世界のどこかで哀しみのどん底にいる人がいたら、それを思うだけで辛くなるということもある。

 宮沢賢治の「雨ニモマケズ」ではないが、結局こうなんだと思わされる。

「東に病気の子どもあれば / 行って看病してやり / 西に疲れた母あれば / 行ってその稲の束を負い / 南に死にそうな人あれば / 行って怖がらなくてもいいと言い / 北に喧嘩や訴訟があれば、つまらないからやめろと言い」(原文を漢字ひらがな混じりの現代文に改めてある)

 幸せとはこういうものなんだとふと思った。一人だけで幸せになることはできない。東奔西走して、人々を幸せにすること。それが幸せなんだ。中村哲氏も案外そういう意味では幸せだったのではないかと思えてきた。北朝鮮の金正恩なんかは決して幸せではないだろうな。裸の王様のようなもので、本当の不幸ってああ言うのではないかと思えてきた。

雨ニモマケズ 宮澤賢治

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩

校本宮澤賢治全集 第十三巻(上)覚書・手帳 本文篇」筑摩書房

※この詩は、宮沢賢治(1896.8.27~1933.9.21)が闘病中、1931年秋に手帳に書き記されたメモだそうだ。

※英訳したものがあればと思って探したら、あった。以下を参照。

English「雨にも負けず」

wildsum について

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