磨く


 先日、母が薬缶を空焚きして、真っ黒にしてしまった。火事にならなくてよかった。母はヤカンを買い換えようと言ったので、ぼくは母と一緒に買い物に出かけ、780円のヤカンを見つけた。だが、ぼくは以前、500円のヤカンを買ったことがあるので、買うのをやめようと言い、ともかく、百円の重曹を買って帰った。

 そして、帰ってから、重曹をたわしにつけて、黒くなったヤカンを磨いた。一日目、30分ほどかけて磨いて、少し光るようになった。二日目、じゃがいもをサラダにするために15分ほど鍋で茹でながら、鍋を横目で見ながら、ヤカンをゴシゴシと磨き続けた。汗をかいたが、何とかヤカンをピカピカにすることができた。

 昨日、東京で二日続けて、40人以上の感染者が出た。神奈川県も含めて、今週末は東京へ出かけたりしないように、そして、不要不急の外出を控えるようにと各県の知事から要請があった。花見の名所へ行くつもりだったが、やめることにした。これから3日間、家にいるつもりだ。

 こんな時、何かを磨くというのは、何だか意義のあることのように思えた。鍋やヤカンだけではない。心も磨きたいと思った。認知症の初期段階にある母と同居し、しかも、仕事のない今、ぼくは心を磨きながら、母への対処の仕方を磨きたいと思っている。

 外出を控える時、できることの中に、家族とのありかたを考えるということがある。仕事がなくて毎日家にいる、こんな時は最もいいチャンスなのではないかと思った。3つの「密」、即ち「密閉」「密集」「密接」を避けながら、やるべきことはたくさんあるように思う。「ピンチはチャンスなり」だ。

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
カテゴリー: エッセイ, 日記 タグ: , パーマリンク

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