花に嵐の例えもあるさ


コノ盃ヲ受ケテクレ

ドウゾナミナミツガシテオクレ

花ニ嵐ノタトエモアルサ

サヨナラダケガ人生ダ

井伏鱒二『厄除け詩集』1938

晩唐の詩人于武陵の「勧酒」という詩を日本の小説家、井伏鱒二が翻訳というか、意訳したものだ。

何はともあれ、別れに際して、主人公は友に酒を勧め、私の盃を受けてくれ、なみなみと注がせてくれ、と懇願する。花が咲けば、嵐が来るという例え話もある。人生もいつ別れがくるかわからぬものだ。人生は別れで満たされている。〈 Life is full of good-byes.〉人生には二度とない今なんだ。さあ、遠慮せずに飲んでくれ。

さて、桜の花が満開になり、花見に行きたいのだが、県知事や都知事から要請が出ている。花見の宴会は言うまでもなく、公園への花見の散歩も控えるようにという。さらに、不要不急の外出は自粛するようにというのだ。食料品の買い物、仕事、通院など以外は外へ出ないようにということだ。

花見にいけないばかりか、明日の日曜日は関東地方南部でも雪が降ると言う。例年は、今ごろソメイヨシノが咲き始めるのだが、今年は開花が早く、花びらはすでに風に舞って粉雪のようにヒラヒラと散り始めている。そんな三月末にさらに驚くことに、雪が降るなんて、重ねて異常なことだ。

桜の花はみんなに愛でられるゆとりもなく、雪の中、散ってしまうのだろうか。新型コロナウィルスはますます猛威を振るっている。花見どころではない。異常気象に異常なウィルス、世界はどんな方向へ流れていくのか。ますます先行きが見えなくなってきた。

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
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