「悪事千里を走る」ということわざがある。
悪い行いはすぐ知れ渡る。逆によい行いはなかなか知れ渡らないという意味も隠されているように思う。
標題の「嘘千里を走る」は、上のことわざをもじったものだ。フェイクニュース、作り話などの嘘は、SNSなどによって、あっという間に多くの人の耳に届く。流言や風評などは特にそうだ。
その一方で、真実は隠されて見えない場合が多い。政府や会社などの組織によって、隠蔽され、なかなか大衆や社員の目に触れることは少ない。世間に広がりにくく、たとえ垣間見えても、真実は藪の中に入って、はっきりと見えないものだ。
言うまでもないことだろうが、歴史上の真実ばかりでなく、現代社会においても、アメリカのロシア疑惑、日本の「桜を見る甲斐」の謎、国有地払い下げ問題など、全くその通りだ。政権がひた隠しにしている真実は世界中にあるだろう。
だが、今、そんな話題も吹っ飛びそうな状況だ。いや、現に吹っ飛んで、今、未知のウィルスによって世界は脅威にさらされている。未知のものほど怖いものはない。
その実体は隠そうとしても、その前に、実体がよくわからないのだ。その故にだろうか、フェイクニュースや流言といった嘘の類いがSNSなどで、世界中を駆け巡っている。いや走り回っているようだ。