認知症とコロナ!


 日曜日の夜、「明日は仕事?」と母が聞く。ぼくは外国人のための日本語学校で働く日本語教師だ。3月上旬まで週に3日から5日働いていたのだが、コロナの危険が迫ってきて以来、ずっと仕事がない。外国人の学生が日本に入国できない状況が続いている。

 母は認知症で、去年の春、要介護1と診断された。以来、皿洗いと洗濯以外家事のできない状態だ。この4ヶ月、いつも二人で過ごして、ぼくの兄弟と会うこともない。ただ、出かけるのは、通院と買い物と散歩に行くときだけだ。24時間母と二人でいるようなものだ。

 最近、母の認知症はますます進んでいる。通院から帰った後、数時間したら、「今日はどこも行っていないよね!」と確認してくる。かと思えば、二日に一度は散歩している公園で、「ここはどこ?」と聞く。「今日は何日?何曜日?」と一日に数回は聞いてくる。「あんた誰?」を言わないだけまだましなのだろう。

 そんな母が毎週日曜日の夜になると、「明日は仕事?」と聞くのだ。どうやら、コロナ以前の生活が今も記憶の中で残っていて、コロナ以後の生活が時々消えているようだ。コロナウィルスは怖いが、どうも不思議なことに、母にとってはコロナはあまり脅威に感じられていないのかもしれない。散歩に出る時、いつもマスクを忘れるのもそのせいだろうか。 

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
カテゴリー: エッセイ, 日記 パーマリンク

認知症とコロナ! への2件のフィードバック

  1. netdeduessel より:

    日本で妹に痴呆症の母を任せっぱなしで、遠いドイツで何もできない、していない自分がいつも情けなくなります。

    いいね: 1人

    • wildsum より:

      しかたないですね。ぼくは次男で、兄も弟もいるのですが、成り行きで、母と二人暮らししています。というか、昔から望んでいたことなのです。母が「迷惑を掛けてごめんなさい」と時々言いますが、「迷惑じゃないよ。謝る必要もないよ。少しでも健康でいようと思ってくれたら、それで、いいんだよ。」と答えます。

      いいね: 1人

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