12月の思い!


 12月1日の夕暮れ時、何もかもが薄闇に包まれるころ、日常的には見えてこない哀れな自分が見えてきて、冷たい空気の中、心が震え始める。卑下する必要などないとわかってはいても、12月の冷え冷えとした空気の中にいると、どうしても、愚かな自分、間抜けな自分がたくさん見えてくる。

 二十歳の春のことだ。出会った自殺願望の友人を自殺から救おうとして、気がついたら、己の醜さばかり見えて、もともと、持っていた自分の自殺願望が目覚めてしまい、12月には、ミイラ取りがミイラになってしまった。崖っぷちで死の底を見つめながら、母に救い出された。友人は一人であの世に旅立った。

 今でもあの時の断崖絶壁の底を見たときの恐怖、吸い込まれるようにして飛び込もうとした自分、友人を死なせた罪、それらがいつまでも心から消えない。願望は今も消えないが、いつも、すべてが闇に吸い込まれていくあの時の感覚が、そして何もかもが消えてしまうという恐怖がぼくを支配している。

 ぼくは、死が訪れるまで精一杯生きるという宿命をあの時、母から、そして、友人から与えられた。ぼくはまだ生きている。いつ訪れるかわからない死だが、それまで生きる。何があっても、生きるほかに選択肢はない。どんなに惨めな生活であっても、どんなに情けない人生であっても、自分の人生を含めた、すべての生を肯定し続けなければならない。

 特別でかっこいい使命など何もない、ただ生きていることが使命なんだろう。生きて、家族を助けたり、人のために働いたりすること。小さな力であっても構わない。命のある限り生きて、この生を確かめること。もしかしたら、生を確かめる日々の記録をここに書き留めていくことが特別な使命なのかもしれない。

wildsum について

I am a Japanese language teacher. I like to soccer and cooking,walking.
カテゴリー: エッセイ, 日記 タグ: パーマリンク

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