子供のころ、晩御飯を食べたくないって言ったら、「じゃあ、食べるな!」って親父に怒られた。それで、二日間、絶食した。三日目、腹が減って、しかたなく食べた。
その時、思った。いったい誰が決めたんだ。一日に、朝御飯、昼御飯、晩御飯て三回も食べなきゃいけないなんて。食べたくなければ食べなくても、問題ないじゃないか。
高校生の時、昼休みになると、クラスメートが昼飯を食べている間、屋上で本を読んでいた。食事より、読書の方が楽しかった。昼飯のお金は貯金して、本を買っていた。
大学生の時、金がなくて、三日間、何も食べなかったことがある。水だけ飲んで、何とか生きていた。おかげで、体から無駄な肉は落ちたし、胃袋はきれいになった。
三日目の晩、胃液を吐いて、道端で倒れていたら、友達に見つかって、家まで連れていかれ、無理やり食べさせられた。というか、無理やり助けられた。感謝しなきゃ。
その時、思った。人は二日間食べなくても死なない。一日三食なんて無駄なことだ。一日一食で十分だ。当時、ぼくには、食べる時間より考える時間のほうが大切だった。
もちろん、人は考え方や、感覚なんか、みんな違うんだから、人それぞれだ。食べたければ、何回でも食べればいい。ただ、一日三食が常識だなんて言わないでほしい。