満員電車に乗る。
つり革に両手でつかまる。
電車が出発すると、
揺られ揺られて、隣の人といっしょに揺られる。
床に高校生が大きなバッグを置いている。
足は固定されて、動かせない。
上半身は足の位置から斜めになる。
揺られるたびに足は動かず、
上半身だけが右に左に揺られる。
大きな駅では後ろからどっと押されて、
ホームに押し出される。
発車のベルがなって、
もう一度人を押し込みながら乗り込む。
これをくり返して最寄り駅についたときは
ぐったりとしている。
人生の試練は絶えずこのようなものだ。
押し出されたり、倒されそうになりながら、
人生の中で押し流されて日々を生きる。
深夜、最寄り駅について少しほっとする。